ナシはバラ科の落葉果樹で、秋を代表する味覚の一つです。

 

病害虫が発生しやすく、栽培の難易度は高い部類に入るものの、

何事も挑戦が大切。

 

果樹の育て方に自信がついてきたら、

ぜひナシの栽培にトライしてみましょう!

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ナシの栽培カレンダー

ナシの特徴

たっぷりの果汁とほのかな甘みが魅力のナシは、

丁寧な手入れを必要とする果物です。

 

じっくりと腰を据えて栽培を行い、

家庭での収穫を目指していきましょう。

 

栽培適地

ナシには3つの分類があり、

日本ナシ、西洋ナシ、中国ナシに別れています。

 

このうちの日本ナシは最も性質が頑健で、全国的に栽培が可能ですが、

西洋・中国ナシは冷涼な気候を好むため、

寒冷地での栽培がおすすめです。

 

また、日本ナシにも赤ナシと青ナシがあり、

育てやすさでは赤ナシが勝るとされています。

 

品種の選び方

ほとんどのナシには自家結実性がなく、

1本では実をつけることが出来ないため、授粉樹が必要となります。

 

「幸水」と「豊水」など、相性のよいものを一緒に植えていきましょう。

 

また、授粉樹にはマルメロやカリン、リンゴなど、

ナシ以外の植物も利用できます。

 

・「幸水

8月下旬から収穫できる日本ナシ。

育てやすい赤ナシで、最もポピュラーな品種です。

 

・「バートレット

イギリス原産の西洋ナで、滑らかな食感とさわやかな香りが特徴です。

「ラ・フランス」の授粉樹としても。

 

・「ゴールド二十世紀

黒星病に耐性のある青ナシで、食味などは「二十世紀」同様です。

 

・「おさ二十世紀

「二十世紀」から生まれた自家結実性のある品種。

1本で実がなるため、省スペースでの栽培が可能です。

 

ナシの植え付け・植え替え

ナシの植え付け、植え替えの時期としては、

2~3月ごろが適しています。

 

また、霜の降りない暖地では、11~12月にもこれらの作業が出来ます。

 

植え付ける場所

ナシは日光を好むため、

植え付け場所には日当たりのよいところを選びましょう。

 

なお、イブキ類(ビャクシン、カイヅカイブキなど)の樹木は

赤星病の病原菌を媒介するため、

これらの近くは避けるようにしてください。

 

植え付け方

直径・深さともに50cmの植え穴を掘り、

掘り上げた土:腐葉土:赤玉土が5:3:2となるよう土を混合します。

 

客土する場合には、赤玉土7:腐葉土3の割合で土を作っていきましょう。

 

そこに元肥を加えて埋め戻し、やや高植えになるよう苗を植え付けたら、

地際から50cmほどのところで木を切り詰めます。

 

その後、支柱を立てて誘引してください。

 

 

鉢植えで育てる場合には…

ナシを栽培する鉢としては、7~10号サイズの果樹鉢が適しています。

 

赤玉大粒6:4ベースに砂を加えた用土に植え付け、

25~30cmの高さに苗木を切り詰めておきましょう。

 

その後は支柱を立てて安定させ、

1鉢につき2~3果の収穫を目標に栽培していきます。

 

 

ナシの栽培管理

水やり

庭植えでは、通常必要ありませんが、夏に日照りが続いたら行います。

 

鉢植えの場合には、土の表面が乾いたら水を与えるようにしてください。

 

このとき、収穫時期が近付いてきたら水やりを控え、

乾かし気味に管理することで、

果実の甘みを強くすることが出来ます。

 

肥料

落葉期の12月に寒肥、3月に追肥、

収穫後の9月~10月にお礼肥を与えます。

 

寒肥には緩効性の有機肥料、

追肥とお礼肥には速効性の化成肥料を用いるとよいでしょう。

 

 

ナシの人工授粉

ナシを確実に結実させるには、人工授粉を行うことが大切です。

 

晴れた日にほかの品種から花粉を取り、

受粉させたい雌しべにつけていきましょう。

 

ナシの摘果・袋かけ

摘果

ナシの摘果は2回に分けて行います。

 

1回目は開花から1か月後を目安に行い、

1つの花房につき1果を残して摘み取ります。

 

2回目の摘果はさらに10~20日後に行い、

葉30枚に対し1果となるよう調節してください。

 

袋かけ

2回目の摘果後に作業します。

 

袋かけを行うことで、病害虫から果実を守ることが出来ますよ。

 

 

ナシの収穫時期

日本ナシの場合、果実を手で持ち上げたときに

簡単に枝から離れるようになったら収穫します。

 

西洋・中国ナシは果皮の色味が黄緑になったタイミングで収穫し、

室温で1~2週間ほど追熟させましょう。

 

ナシの剪定・整枝

プロの栽培下では棚仕立てにすることが多いですが、

家庭では変則主幹形開心自然形に仕立てることがおすすめです。

 

冬の剪定(12~2月)

まずは混み合っている枝や徒長枝を間引き、ひこばえも切り取ります。

 

ナシは短果枝によい実をつけるため、

今年伸びた新梢は先端の2~3芽を残して切り返し、

翌年の短果枝を増やしていきましょう。

 

また、1つの枝に多くの短果枝がついた場合には、

上向きに生えているものを残して切り取ると、株の疲弊を防げます。

 

夏の剪定(6月ごろ)

冬に切り返した新梢から多くの枝が伸びた場合、

生育のよいものを残して間引きます。

 

 

気を付けたい病害虫

病気

「二十世紀」に多く発生する黒斑病は、

葉や果実に黒い斑点が発生し、腐敗してしまう病気です。

 

気温の高い5~7月に多く発生し、被害が大きくなる傾向にあるため、

早期に「サンケイエムダイファー水和剤」などを散布してください。

 

また、「幸水」などの赤ナシでは黒星病が発生します。

 

低温期の葉や果実が黒く粉を噴いたようになったら、

「GFベンレート水和剤」などの薬剤で対応しましょう。

 

 

害虫

シンクイムシ類やアブラムシ、ハマキムシ、カメムシが発生します。

 

いずれも発見次第駆除し、被害を最小限に抑えるようにします。

 

 

 

ナシを収穫するためには、細やかな栽培管理が欠かせません。

病害虫の防除や摘果・剪定などを丁寧に行って、

おいしいナシを育ててくださいね。

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